井野長割遺跡             
現在の井野小学校の周辺に広がる縄文時代後・晩期の集落跡です。昭和40年代に小学校の建設及び増築に先立って発掘調査が実施され、その後も数度の調査が行われています。 小学校の建設に伴う調査では、縄文時代後期の竪穴住居跡(タテアナジュウキョアト)3軒とともに縄文土器(後・晩期)の破片を多量に集積したマウンド状遺構(土器塚)が発見されました。 発見された住居跡の1軒からは異形台付土器(イケイダイツキドキ)2点が出土しました。この土器は、形が容器として使うには適していないことから祭祀に使用されたと推定されています。また、土器塚からは異形台付土器に類似した香炉形土器(コウロガタドキ)が出土しました。この土器には吊手(ツリテ)がついており、この他多くの土器とは異なった使い方が考えられます。
担当 片桐美奈子